伏線上のアリマ先生は最後に涙をこぼします(確率50%) (完結)


犬子蓮木という人が書いています。
ライトなラノベコンテスト用のブログです。
Kindleストアにて小説などを販売していますのでそちらもよろしくお願いします。

 わたしはわたしの目の前に存在する光景を現実だと受けいれることができなかった。まだ夢を見ているんじゃないだろうか。寝ぼけているんじゃないだろうか。エアコンは暖かい空気をゴーゴーと吐き出し続ける。わたしはそんな暖かな風で暖まっていく部屋よりももっともっと早く、沸騰するように熱を持った。
 きっと顔がすごく赤くなっている。
「な、なに? なんでここにいるの?」
続きを読む

 朝、目をさますと朝じゃなかった。昼だった。ベッドの上に転がっていた携帯電話をつけると時刻は午後の一時過ぎ。わたしはどれだけ寝ていたというのか。というかお母さんはなんで起こしてくれないんだろう、と思ったけど昨日、夕飯を断るときに結構、ひどいことを言ってしまったような記憶がなくはない。
 もう一度携帯電話の画面を見る。
 今日はなんの日だ?
続きを読む

夜。わたしは夕飯もたべずに、ベッドでふて寝していた。話は全部つながった。ホシミくんの行動も教頭先生の行動もカミナさんが電話をかけてきたことも。カミナさんは、幼なじみのホシミくんに、内心のために人を騙すことをやめさせるために、わたしに教えてくれたのだ。ホシミくんが不登校だなんていうのが嘘であるということを。
 はは。なんだか笑った。
 でも、これでもほんとうに学校になんて行く理由がなくなった。元からすればホシミくんがいたから贔屓したりとかしたらまずいからと思って、辞めることにしたのだから、ほんとうのことがわかった今はふつうにしてればいいってことなのはわかる。
 だけどそんなことが簡単にできるほどわたしは強くないのだ。
続きを読む

 うーん、どうしたもんだろうか。昼間。カミナさんの電話から一晩たって、わたしはひとり部屋で足の爪を切りながらうなっていた。もちろん爪が伸びすぎていたことが問題なのではない。学校に行っていないと思っていたホシミくんが実は行っていたという問題について考えていた。いや、問題ではないだろう。行く行かないを認めるかどうかという複雑で微妙な話をおいておけば、高校生として学校に行くことはなんらアブノーマルではないのだから。というわけで問題は、そんな嘘だったりなんだりがどうして発生したのかということである。続きを読む

 夕方。わたしは机に座ってノートPCをいじっている。すこしだけというかもの凄く期待して待っていたけれど、ホシミくんはこなかった。教頭にメールしたところ、学校にも行っていないらしい。家に帰ったのだろうか。純真な子であるだけに、非行だなんだに走っていないかが心配になる。
「はあ……」
 ためいきをついた。
続きを読む

このページのトップヘ